札幌高等裁判所 昭和27年(う)393号 判決
論旨は本件第一の所為と第二の所為は一個の犯意の下になされたものであるから、これを包括一罪とすべきであるに拘わらず、原判決はこれを二個の犯罪として併合罪の規定を適用して処断したのは、理由にくいちがいの違法があるというのであるが、本件の粳精米の不法輸送罪の犯罪の個数は、輸送という行為の回数及び時間的関係、犯意その他諸般の事情に従つて考察し、通常人ならば何人も首肯するであろうところ、すなわち社会通念によつて客観的に個別性を有するか否かを決すべきであつて、単に犯意のみを標準として決することはできない。
本件第一事実は昭和二十六年十二月十日頃粳精米五俵、糯精米二俵計七俵を輸送したものであり、第二事実は同年同月十五日頃粳精米五俵を輸送したもので、その間四日の間隔があり、その他諸般の事情を客観的に考えると、原判決判示第一の所為と第二の所為は各別箇の犯罪を構成するものと認められる。従つて原判決の事実の認定は相当であつて、所論のような違法はない。論旨は理由がない。